残響シャワァ(ざんきょうしゃわぁ)
- 渡屋
- 2018年12月11日
- 読了時間: 6分

【タイトル】 残響シャワァ(ざんきょうしゃわぁ)
【CP】坂田銀時×高杉晋助(村塾~現在)
【ページ数】 52ページ
【版型】 B5
【印刷】 オフ・表紙3色刷り
【年齢制限】 R18
【発行日】 2018年01月14日
【漫画】はちとんぼ
【頒布価格】 ・K-BOOKS→¥720 ・イベント(本体価格)→¥600
【内容】村塾時代から58巻までの話。誰にも見えない夜叉の面を子供の頃からつけている銀時と、それに気付く高杉。
目次・「夜叉面」「黄泉津比良坂」「残響シャワァ」
※ここからは内容の裏話です。プライベッターや別ブログで書いていたものを移動しました。
ずっと描きたかった57巻58巻周辺の話です。まだまだ思ったように描き切れなかったところが多々あります。
ずっと描きたかった話ではあるんですが、気持ちが空回りしました…。怖くてちゃんと読み返せず、薄目確認しかしてません。もし誤字脱字誤用矛盾などがあっても脳内補完してもらってスルーして戴けると嬉しいです…。
ほぼ同時期に描いていた楊さんと沙絵子さんの銀高本「Hibiscus」のゲスト原稿と少しだけリンク?しています。雰囲気だけですが。「残響」の方はとにかく圧を感じて欲しいと思ったので、ゲスト原稿の方は心安らかにと思って描きました。
個人の感じるままに受け取ってもらって構いません。勿論描いてる間は色々と意識していることはありますが、自分が都合の良いように解釈してもらった方が良いのではないかと思います。そういう風に描いてます。
57、58巻を読んだ時に、これは合い間にセックスシーン挟んでもなんの違和感もないと気持ち悪いことを考えていました、本当にすみません…。
その時から描きたかった話なんですが、好きが行き過ぎてまとめられなくなったのも事実で…。話しがブツギリに感じたと思いますが、色々と省きましたし、ページの入れ替えもかなりしたせいだと思います。その時はこれで良いと思ったんですが、読み難かったら申し訳ないです。
面についてはいつか絶対使おうと思っていました。夜叉(鬼)の面。実は銀時の幼い頃のエピソードを描きたくないという、私の都合と心理の表れでもあると思います。銀時の過去をハッキリ描かないための小道具として面を使いました(小道具とは言ってるけど、実際に面があるわけではないですが)。あれ一つあるだけで随分描くのが楽でした。心理的距離の取り方だったり、荷の代わりだったり、人格そのものだったり…。あまりにも色々な役割を付け過ぎたので、混乱を招いたかも。
相手との距離の取り方は二人共真反対だと思うんです。高杉よりも銀時の方が、こうだと決めた距離があるんです。この決めた距離は平等で皆同じのような気がします。割と背中合わせに戦える人がいることでそれが窺える気がしませんか…。元々他人との距離がそんなに遠くないんですよ、きっと。だから殆ど同じように接することが出来る。例え相手が敵でも…です。
でも…高杉に対しては距離を測りかねている感じが…。これってなんだろうなと。松陽の件があるにしても、なんだか変。松陽のことがある前も…? …なのでその辺は気持ちをハッキリ言わせず、面を使って誤魔化してしまいました。
高杉はもっと銀時との距離の取り方分かりやすい筈と思って、銀時の面に触れることも多いです。銀時に対して、あまり回りくどくしないというか…? それなのに57巻までなんで銀時と対峙しなかったかというと、銀時を敵として倒すのが目的ではなかったからですよね、単純に。敵は幕府(天道衆)だったわけだし。敵対関係にあるように見せかけてきた気がしてならない…。
銀時の心に直接触れる、それが出来るのは高杉だけなのでは…。銀時の痛みを自分の痛みのように話す彼だからこそ、銀時のものであった面をつけられるのではないかと…。
話は少し逸れます。今回は古事記からの引用もかなり入れています。
57巻の二人が相対するところは古事記の、夫婦神が住む世界が違い過ぎるからと事戸を渡す(別離する)シーンにあまりにも似ていると感じたので妄想がむくむくと…。他にもそう言ってる方がいらっしゃったからそうなんですよ!(拳) 別れる瞬間まで愛しい(うつくしい)と相手に言うのが良いです。好きです。高杉が銀時に向かって「強ぇな」って言うのもそれっぽくないですか。
なんだかんだ言ってお互いのこと愛してる夫婦に通じるものがありませんか、ないですか。
高杉の「待ちくたびれた」ってセリフがとても気になってて、銀時からくるのを待っていたんだと思うと、これはイザナギ(銀時)からイザナミ(高杉)に声をかけて国を産むという儀式に近い物を感じるなって。古事記ではイザナミから声をかけて交わると失敗してしまいますが…。
だから同人誌では、時間を何度も繰り返させて、最後は銀時から声をかけて交わるという感じにしたかったんです。57,58巻の二人のシーンはどこか儀式のようで好きだったんですよ…。
言う必要ないけど言ってしまうと、烏が多い山小屋には理由がありました。ここでのエピソードがあまりにも銀時が(あの男女も)人非人すぎやしないかと思って描くのをやめました…。烏の鳴き声と赤ちゃんの泣き声が聞こえる中...という舞台で、この後すぐに二人のセックスシーンがあるという感じだったんだけど、削りました。後に繋がるけど、あまりまともじゃない表現だったので。この導入部のせいで最初はもっとドロドロしていたんですよ、全体的に。描く勇気がありませんでした。
タイトルですが、「残響シャワー」というのはどうだろう?ってすぐ思い浮かびました。音というものには直接音と反射音というものがあるみたいで、新生児はその音の違いが分からなくて世界を「残響シャワー」のように知覚する…とウィキ先生が言ってましたw 音や声というものを意識したいとは思っていましたが、二人を国を産んだ神に見立てながら、お互いによって生まれさせるというのは欲張りすぎではあると思います。欲張りですが、やり過ぎではないですよね、だってあの巻が正にそうなんだから…。(だからそれは妄想だってば)
削ったエピソードの中には黄泉戸喫い(よもつへぐい)の話もあったんですけど、流れが合わなかったので入れませんでした(それと蛇足)。残したのが引用ページのみという奇怪なことになってしまって、わけがわからない。黄泉戸喫いというのは有名なアレです、その世界の食べ物を口にするとそこから出られなくなるというやつ。類似する神話が世界中にあるらしいです。古事記の場合は黄泉にいるイザナミが、黄泉の食べ物を口にしたからここから出られないって言うわけですが…。 ネタとしては大変美味いエピソードだと思います。 互いに互いを喰らい合ってるように見えた58巻にはピッタリ…と思ったんですが、今描きたい物とは流れがちょっと違うかなと。
最終ページに記載しているBGMは描く時にスピードを上げたくて聴いていたものです。ちょっとはイメソン...とも思ってましたが...。スルーしてもらえると嬉しいです...。
【2018年追記: この後の本誌展開から黄泉戸喫いについてちょっとだけ考えがまとまってきたりしました。完全に自分解釈で、そんなわけあるかという感じでしかない考えです。でも二次創作とはそういうものですよね、これこそ二次創作の醍醐味としておきます。】
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