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「奇焔陰翳クロニクル どう転んでも畢竟地獄」

  • 執筆者の写真: 渡屋
    渡屋
  • 2019年4月28日
  • 読了時間: 3分

2019年3月31日発行 銀高小説・漫画本「奇焔陰翳クロニクル どう転んでも畢竟地獄」


『足と声と』13p



※こちらは「陰翳クロニクル」という、テーマにそって小説(匣十八)と漫画(はちとんぼ)(呼べたらゲスト様も)で構成された本です。その中で描いた漫画「足と声と」という話についての設定や裏話です。


テーマ「九尾×蛟」




 銀魂のアニくじ妖怪コスプレの九尾(坂田銀時)と蛟(高杉晋助)の話です。実際にはコスプレということで、妖怪そのものではないんですが、独自の解釈で描いています。


 漫画は同時に収録されている小説の設定で描いているので、厳密にいうと坂田銀時と高杉晋助そのものではなく二人と関わった妖怪九尾、蛟の物語です。なので、銀高とは言い難いです。すみません…。

 小説はホラー風味ですが漫画はちょっと雰囲気が変わって穏やかな感じになっています(そういうのしか描けないというか…)。本当は漫画もガッツリホラーしたかったんだけど、今回は断念しました。どうしてもイチャイチャのんびりした感じになってしまう…。どうせだから可愛く描こうと心がけました。


 人魚と蛟は全く違うんですが、半身半獣みたいなイメージになっているので絵的には完全に同一視してます。そういうわけ…でもないですが、タイトルは有名すぎるアンデルセンの「人魚姫」からとっています。声と引き換えに人間の足を手に入れ、好きになった王子に近付いたはいいけれど声が出ないから何も伝えられないし、歩く度に足は痛む。あまつさえ王子から「好きな人とは結婚できないと思うから、その人に似ているお前と結婚しようかな」的な事を言われてしまうという、なんだかなぁって感じのお話。でも改めてこのあらすじ見た時、悪くないと思ってしまって…。小説の方がもう、この人魚姫の物語に近い感じがするんですよね。人間とあやかしではくっつくのは無理よねと。どっちかが何かを捨てなきゃいけないっていうのが、私の昔の銀高観そのものかもしれない。そう、私はそういうことを考えていたんです、ずっと。銀高が一緒にいるためには、どっちも何かを捨てなきゃならないだろうと。そうまでして、銀時は高杉を、高杉は銀時を選ばないだろうとまで考えていたわけです。そういう暗い気持ちが尾を引いてる形が九蛟かもしれない。いや、九尾×高杉、銀時×蛟は。いつかドロドロの話を描いてみたいです。今回の漫画では小説の設定を踏まえてはいるけど、明るい話しになっていると思います。九尾も蛟も可愛く描こうって思って描いたから…!


 作中シューベルトの「水の上で歌う」がラジオから流れて来るという描写がありましたが、これはマジで今回のBGMだったのでそうなりました。 ゲーテの「野ばら」も好きです(BGMとして聴いたのはシューベルト版)。トゲを刺して記憶に刻んでやるというのがどうにも官能的に感じて仕方ない。「野ばら」は九尾で「水の上で歌う」は蛟です。


 原作銀時は謝らないような気がするから話が長くなる傾向がありますが、九尾は自分が悪いと思ったらすぐ謝るので楽です。※あくまで自分が機嫌がいい時だけ。


 妖怪二人の話なのでもっとケダモノっぽい方が良かったかなぁと思いますが、描き慣れていないのでいつもの感じ引き摺ってます。人外二人のイチャなんて描いた事ないですもん…。でも楽しかったです(笑) 時代考証も完全無視で好きな物だけ詰め込みました。






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